くらしがいをみつけられる郷 中須北

中須北について

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「棚田と清流の里」中須北には、四季折々の自然美あふれる棚田風景、そして、大地にしっかりと根づく「人々のくらし」があります。

日本の原風景を象徴する「すり鉢棚田」

山口県周南市中須北は、周南市街地から約20キロ北東に位置する、標高300メートルの中山間盆地です。民家が点在する5つの集落は、幾重にも連なる田んぼですり鉢状に結ばれ、山肌に沿うように広がる棚田の光景は、日本の原風景そのままの美しさです。
食糧を得るため、過酷な労働のうえに長い年月をかけて開拓された棚田。平野の農耕地でさえ荒廃し、失われゆくこのご時世ですが、私たちはそれを悲観するのではなく、先人より受け継いだ大事な棚田を次代につなぐため、皆で力を出し合い、苦労も喜びも分かちながら、自然と調和した昔ながらの米づくりに励んでいます。

棚田再生に向けたむらづくり

急傾斜地だらけの中須北は、近年、住民の過疎・高齢化で担い手不足が深刻になり、耕作放棄によって美しい棚田が虫食い状態になってしまいました。
今から約10年前、そんな棚田の荒廃ぶりに危機感を覚えた私たちは、中須北全戸加入のむらづくり実践組織「棚田清流の会」を発足させました。住民の暮らしや農地を自らの手で守る、自主活動の始まりです。

暮らしがいが見つかるむらへ

まず私たちは、住民自らが「ここに住んで良かった」と思える地域を目指して、子どもからお年寄りまで誰もが参加できる交流会を開くようになりました。景観保全では、竹やぶになった荒廃地を整備し、休耕田に花を植え、谷底を流れる黒石川の清掃も定期的に行っています。
一方で、住民の力だけで棚田を守り続けるには限界があるため、都市部の力も借りることにしました。農業体験交流会や、棚田オーナー制度です。さらに、年4回の 棚田通信の発行、棚田フォトコンテストの開催などを通じて、都市とむらの距離を縮めながら、人と人の輪を広げています。

何事も、なせば成る

会の活動が活発化するにつれ、地域の若手も農業に前向きになり、棚田は以前の美しい景観を少しずつ取り戻し始めました。かつて3割に達した耕作放棄田も、今では1割程度。平成22年3月には「やまぐちの棚田20選」に選定されました。
こうした動きはマスコミにも取り上げられ、皆目無名だった中須北は、農村と都市との交流拠点として県内に広く認知されるようになりました。
そして、薄れつつあったコミュニティーが復活し、地域に活力が生まれたことを、私たちは何よりうれしく思っています。